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敗北

今日のコーポレートガバナンスは日本企業がテーマ。スティールパートナーズやライブドアによる敵対的買収事例等をケースに授業が行われた。

ケース自体は面白かったし、日本企業にとってのステイクホルダーとは株主だけではなく、従業員、顧客、取引先、コミュニティー等を幅広く含むというコンセプト自体に異論は無い。しかし、日本のシステムを一方的に劣っているものと位置付け、さらには日本企業を国際的な競争に対応できない非効率的な組織と言い切る姿勢には、さすがに若干反感を覚えた。また、バブル経済崩壊後、日本経済は破綻しており、失業率はうなぎ上りで、人々はデフレに苦しみ、海外投資家から敵対的買収のカモにされ云々、という説明はちょっと大げさではと感じた。

ということで、普段の授業では『動かざること山の如し』をモットーとしている僕も、暴走教授を止めるべく、果敢に発言した、いや、しようと思った。

僕が発言したかったポイントは、
①そもそもスティールパートナーズ等が買収対象とした企業を日本企業の代表例として捉えるのが間違えている。これらの企業の多くは、バブル期に証券会社に踊らされて上場したような企業ばかりで、実質ファミリー企業ばかりであり、だから株主も取引先等が多くを占める。これらは本当の意味での上場企業とは言えない。

②日本企業の多くが不必要にキャッシュを溜め込んでいることを全くのナンセンスと指摘していたが、商業銀行の影響力が強い日本企業の経営環境を理解する必要がある。多くの中小企業は株主以上に商業銀行とのリレーションを重視しており、商業銀行はキャッシュリッチな企業を評価することが背景にある。また、実質オーナー企業の場合は、税務対策としての側面が極めて大きい。

③トヨタ・ソニーに代表される大企業を見れば、そのガバナンス・行動原理に米国企業との違いは無い。上場企業一般を一緒くたにして議論するのは無理がある。東証一部上場級の大企業とそれ以外の実質オーナー企業の上場企業は全く違う。


しかしだ、僕が実際に発言したのは、おそらく日本語で言うと『先生の指摘したポイントは一部の中小企業には当てはまると思いマス。でも、日本のりっぱな会社はもう少しマシだと思いマス。終わりデス。』だけであった。今日ほど、英語がもっと上手く話せたらなあ、と強く思った日はなかった。(涙)

ブログをご覧の方、もし将来コロンビアビジネススクールに入学することになったら、是非ともコーポレートガバナンスの授業を取って、教授をギャフンといわせてください。。。

by yuzukenzo | 2009-10-01 14:17 | 勉強  

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