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バンキング

『バンキング』とは投資銀行を指す。

真の投資銀行業務とは、資本市場からの資金調達、M&Aの助言業務のみを指し、一方、預金・貸出・トレーディング等の伝統的な銀行業務はバンキングとは言われない。少なくとも、ビジネススクールの学生達は、それらをバンキングとは言わない。『バンカー』という言葉も同様に投資銀行に携わる人のみを指す。

僕はビジネススクールに来る直前は、派遣元の会社でM&Aをやっていたものの、会社の本業は伝統的な商業銀行であり、将来は商業銀行業務に携わるであろう。ビジネススクールの友人に、卒業後に商業銀行をやると言うと、『はっ??』と言われる。

僕は、日本での商業銀行の果たす役割・位置付けは、米国におけるそれとは違うと考えているし、また、給与以外にもやりがいを見出しているが、米国では、わざわざMBAを取って商業銀行をやるということが理解されない。(日本でもそうかな?)

現在の経済環境で若干変わってきているとは言え、少し前まではコロンビアの卒業直後に、50%が投資銀行(若しくはPEファンドやVC等のそれに準ずる機関)、20%がコンサルティングに就職していた。同級生を見ても、投資銀行への就職希望を持っている学生がやはりすごく多い。

では、何故、投資銀行に行きたいのか。
-給料が高い
-スマートなイメージ
-人脈を作れる
-勉強できる、スキルが身につく

等々の理由があるだろう。
特に給料に関しては、スタープレイヤーになれば、プロ野球選手並みの給料を稼ぐ事も可能だ。でも、その分、超長時間労働だし、競争は激しいし、ドロドロしている世界だし、、、もちろん良いことばかりではない。特に、労働時間に関しては経験した人しか分からない異常なレベルだ。家庭が崩壊している人も多い。

僕も少しだけ投資銀行を齧った身として、同級生にはバンキングのダウンサイドを伝える機会がよくある。
しかし、そもそもバンカーになるためにビジネススクールに来た学生が大半だ、そんなこと分かっているよ、という感じ。最近分かってきたのだが、彼らにとってバンキングとは、子供にとってのプロ野球選手と同じく、憧れの職業なのだ。しかも、ビジネススクールまでやってきた今、その憧れの職業まで、あと一歩で手が届く。甲子園に進出してきた高校生に、『プロ野球選手になると練習が大変だよ、競争が激しいよ』と言っても、そんなことには耳を貸さないだろう。

今年は就職活動が厳しいが、最近、ようやくサマーインターンが決まった学生も増えてきた。そして、やはり投資銀行でインターンをする学生が多い。夏休み明けに彼らがバンキングに関してなんと言うだろうか。いや、きっと数ヶ月の経験では、それほど考えは変わらないだろうな。ただ、もう少し、就職先がDiversifyしたら、面白いのになと思う。

そういえば、クラスメートの一人はFBIでインターンするって言っていたなあ。MBAでFBI?不思議だ。

by yuzukenzo | 2009-04-28 22:44 | コロンビアビジネススクール  

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