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神経戦

毎週水曜日はタフな一日だ。というのは、朝一番から連続して4クラス履修しているからだ。昼休みもないので、授業中におにぎりを齧りながら講義を受ける。時間にすると、朝9時から午後3時45分まで。深夜まで仕事をしている方には、これでタフと言うと怒られてしまいそうだが、仕事とは違った緊張と疲労が伴う。とくに今日はケースベースの授業が二つあるので、余計疲れるのだ。

そんなわけで4つ目の授業が終わった時点で僕はヘロヘロ。しかし、今日の僕は何となくストイックな気分であった。ということで、夕刻5時45分からのキャピタルマーケットのレビューセッションに参加してみることにした。

レビューセッションというのは、任意参加の補習クラス。前学期までに同じ授業を履修済みで教授から依頼をうけた在校生が先生となる。殆どの科目でレビューセッションがオファーされているのだが、前学期は一度も出席したことがなかった。学期も始まったばかりでクラスの内容も簡単なので、本当は参加する必要はなかったのだが、レビューセッションとはどんなものかとの興味本位もあり、様子を覗きに行ったのだ。

遅い時間スタートにも関わらず、教室に入ってみるとものすごい熱気。おお、普段の授業よりも参加者が多いくらいではないか。先生役の在校生もやる気満々で、自作のプリントまで持ってきている。出席してよかった。

しかし、クラスが始まると何だかおかしい。復習クラスのはずなのに、新しいトピックが始まっている。これでは補習ではないではないか。上級者向けのイメージなのか。だが、周りを見ると知っている生徒が一人もいないではないか。。。何かがおかしい。すると生徒の一人が質問した。『プロフェッサー!』 なに??そこでふと気がついた。これはレビューセッションではなく、別の先生のキャピタルマーケットの正規クラスではないか。キャピタルマーケットは履修人数が多いので、複数のコースがオファーされているのだ。そういえば、先生は在校生にしてはやけに偉そうだし。僕はそーっと部屋から抜け出し、部屋番号を確認してみると、僕のレビューセッションは隣の部屋であった。紛らわしい。

気を取り直し、ちょっと遅刻してレビューセッションの部屋へと行ってみると、、、なんと3人しか生徒がいない。、直感で危険を察した僕は踵を反そうとしたが、先生役の生徒の悲しそうな目と僕の目が合ってしまった・・・。逃げられない。僕はそーっと席に座った。先生役の生徒が冗談で言った。『なかなか素晴らしい出席率だね。』 乾いた笑いが起こった。

そして、おもむろにレビューセッションが始まった。『では始める前に、質問がある人?』、先生役の生徒が聞くと、一人の生徒が手を挙げた。『何もかもすべて分かりません。』。おそろしく初歩的な講義が始まった。僕は一応ファイナンス関係の仕事をしていた。あまりにも簡単すぎる。僕はいつ部屋から抜け出そうかとタイミングを探り始めた。しかし、何と言っても生徒は全部で4人だ。一人抜けたら、25%減ることになる。ちょっと気まずい。

ふと周りを見ると、質問した一人を除く残り二人もソワソワし始めた。誰が最初に抜けるか。僕を含む三人の生徒の中で互いの状況を探り始める展開となった。誰かが口火を切らなければならない。妙な緊張感が漂う中、突然、一人の生徒の携帯が鳴り始めた。すると、その生徒はその機会を捉え、荷物をさっさとまとめ、電話で話しながら退室していった。よし、僕も便乗してと思ったが、残るのは3人。先生役の生徒は、一人が退出していくのを見て、さらに悲しそうな目になっている。三人が二人になったら、33%減。さっきより気まずい。。。結局、僕はおそろしく退屈で簡単な授業を1時間半みっちりと聞いて帰宅した。

by yuzukenzo | 2009-01-29 10:40 | 勉強  

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