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ハロウィン

ハロウィン、日本では誰も気にしていない。しかし、こっちではビッグイベントだ。

本当はハロウィンは10月31日だけど、ビジネススクールは金曜日は基本的には休みなので、10月30日(木)の今日、ハロウィンパーティーがあった。そして、そのメインイベントは、1年生のクラスター別のスキット(簡単なショー)であった。

我がクラスターGも、1週間前から入念な準備を重ねてハロウィンパーティーに臨んだ。アメリカ人は基本的に日本人よりも遥かにノリが良いので、みんな真剣だ。内容は、内輪ネタなのでここに書くのは割愛するが、僕のラーニングチームメンバーでもあるRobbのリードのもと、ダンスあり歌ありギャグありの結構凝ったネタを準備していた。

自慢じゃないが、僕は英語だけじゃなく、ダンスも苦手だ。と言うことで、昨日まではクラスターのメンバーが準備をするのを傍観していた。今日は最終リハーサルを行うということで、その様子を見学しにいったら、『ヘイ、もちろん、今日のスキットに参加するよね!』と質問され、反射的に、Sureと返事をしていた。僕は英語で質問されると、仮に何を聞かれているか分からなくても、OKかSureしか言わない傾向がある。。。返事をした直後にしまったと思ったが、日本男児として一度言ったからには後に引けない。これまで僕は全くダンスの練習をしてなかったので、ショーの進行に合わせて、様々な言葉が書いてあるボードを掲げる役を引き受けることになった。

しかし、練習を始めて、すぐに僕は猛烈に後悔をすることになった。ショー全体を通じて音楽とセリフを大音量で流すのだが、リズム感も無ければ、何をセリフで言っているのかも聞き取れない僕はボードを掲げるタイミングが分からない。クラスターのメンバーが真剣ながらも楽しんでいる中、僕は『ここでミスったら、クラスターのメンバーから村八分にされる』と思い、異常なまでの緊張感に包まれていた。しかし、これを火事場のくそ力と言うのだろう。僕は自分の集中力がいつになく研ぎ澄まされているのを感じていた。練習を重ねる中、ついにボードを掲げるタイミングをマスターすることに成功した。決して、突然リズム感が良くなったり、セリフが聞こえるようになったわけではない。ショーを通じて舞台に出ているRobbの一挙手一投足をすべて暗記し、Robbが三回クルクル回ったら最初のボードを上げる、Robbがダンスを始めたら二番目のボードを上げる、Robbが酔っ払いのフリを始めたら三番目のボードを上げる、そんな感じで、すべてRobbの動きに合わせて自分のタイミングを覚えたのだ。そんなわけで、それなりに自信を持って本番をむかえることになった。

ところが、、、本番で思ってもいない事態が待ち受けていた。もともとはボードを上げる係りのメンバーは、ステージの後ろに立っている予定だったが、何とステージが想定外に小さかったため、ボード係りはステージから降りて前に立つことになったのだ。そう、前に立つので、頼りのRobbを見ることができない。僕がパニックに陥る中、大歓声の中でショーが始まってしまった。しかし、ここで僕は更なる進化を遂げた。そう、僕はここで思い出したのだ。僕がボードを持ち上げる順番は、常に隣のNickyがボードが上げた直後だ。Robbが使えない今となっては、Nickyに注目しよう。。。おや、Nickyの様子がおかしい。そうなのだ、何と、僕と同じくInternational StudentのNickyも、ダンスの様子が見えない前に立たされてボードを揚げるタイミングが分からないみたいなのだ。僕は覚悟を決めた。適当にやろう。そして、それで失敗したら、荷物を纏めて日本に帰ろう。結局、リズムもタイミングも滅茶苦茶で狂ったように僕はボードを上げ下げしていた。

そしてショーが終わった。誰かに怒られるかなと思っていたら、みんな凄く満足そうだ。良かった。誰もボードのことなんて気にしていない。『Hey, Good job, man』とか言って、抱きついてくる。皆、胸毛ボーボーなので暑苦しい。だけど、僕は怒られなかったことに物凄く安堵し、皆と熱い握手を交わしていた。

結局我がクラスターは全体で二位の成績を収めた!いやー、このひねくれ者の僕もちょっと嬉しかったなあー。

by yuzukenzo | 2008-10-31 14:31 | NYライフ  

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